2025.05.15
皆様、こんにちは。設計部の長妻です。
今回は、住まいの中に木の温もりと開放感をもたらす、ちょっと特別な仕上げ方「構造現し(こうぞうあらわし)」についてご紹介したいと思います。
柱や梁といった構造材は、建物を支える大切な部分。通常は壁や天井の内側に隠れてしまいますが、あえて“見せる”ことで空間に木のあたたかみと開放感をプラスすることができます。
ここでは、実際の施工例をもとに、構造現しの魅力をご紹介します。
■吹抜けの梁を照明の“吊元”に活用
吹抜け空間は天井が高いため、ペンダント照明の設置が難しいことも。そこで、現しにした水平の梁にライティングダクト(照明器具やコンセントなどを接続できる配線器具)と照明器具を設置し、機能性とデザイン性を両立しました。
日中は自然光、夜は照明で心地よい明るさが保たれます。
■天井の高さの変化を、梁で“見せる”
例えば、リビングが勾配天井、キッチンがフラット天井の場合。その境目に現しにした梁を通すことで、空間にメリハリが生まれます。
白い壁に浮かぶ木のラインが、ナチュラルなアクセントになっています。
■勾配天井で“登り梁”を楽しむ
屋根の勾配に合わせた天井の場合は、登り梁をそのまま見せることで、空間のダイナミックさが引き立ちます。木の骨格がしっかり見える安心感と、のびやかな開放感を両立します。
■平天井に、プラスαの開放感と木の美しさを
一般的な平天井でも、「構造現し」は有効です。梁をあえて見せることで、天井に奥行きが生まれ、空間が実際以上に広く感じられます。
覆ってしまうのではなく、木そのものの素材感を活かす。それは、空間に豊かな表情をもたらす、私たちならではの工夫です。
■屋根構造そのものを“魅せる”
屋根を支える構造材や下地板までも見せてしまうというアイデアはいかがでしょうか。マス目状に組まれた木組みがそのまま天井の意匠となり、木の温もりに包まれた落ち着きのある雰囲気を醸し出します。
■暮らしの中に“遊び心”をプラス
現しにした構造材を活用して、ハンモックやブランコを吊るすことも可能です。子どもたちの遊び場や、ちょっとした憩いのスペースとして楽しむことができます。構造が見えているからこそ、そんな自由な発想が実現できます。
「構造現し」は、単にデザインとして美しいだけでなく、自然素材である木の魅力を引き出しながら、暮らしの中に心地よさや豊かさを感じていただける仕上げ方だと私たちは考えます。
ぜひ一度、モデルハウスや完成見学会で、「木と共に暮らす」心地よさを肌で感じてみてください。皆様のお越しを心よりお待ちしております。