働く方ひとりひとりが、心身ともに健康に過ごせること。木を活かしたオフィス空間は、自然素材の持つリラックス効果から、コミュニケーションが増える・生産性が上がるといった効果があることが分かっています。ここちよくデザインにも優れたオフィス空間は、働くモチベーションアップにもつながります。
また、地元材・国産材を使用しての空間づくりは、持続可能な社会に向けた取り組みを目に見える形で示すことにもなります。企業イメージの向上やリブランディングのきっかけとしても、木質オフィスリノベーションの持つ力は大きいものです。
ヒアリング・要件整理から、設計・施工、そしてアフターメンテナンスまで。木を知り尽くした柴木材店が、安心して長く使える木質オフィス空間をご提案します。
2022年に行った柴木材店本社事務所のリノベーション事例をご紹介します。
鉄骨社屋のオフィス空間をスケルトンの状態に戻し、リノベーションを実施しました。コンセプトは「自分たちが提供する住宅に近い環境をオフィスにつくる」こと。木や自然素材を活かしたここちよさと、オフィスとしての機能性を両立させ、私たちが目指す空間を形にしました。働く環境が変わったことで、自分たちが提供しているものに対してプライドを持つことができるようになり、自社の考えが社員に浸透するきっかけともなりました。
ワークスペースはオフィスとしての機能性と美しさに配慮しながらデザインしました。長いワークデスクは、杉の表層を圧密した素材を用い強度と質感を兼ね備えています。床は、既存のナラ材フローリングを研磨し再利用。ルーバー天井はエアコンや照明器具を隠しながら、抜け感のある空間づくりに一役買っています。エントランスとの境は間仕切りを兼ねた収納で区切られ、オープンになりすぎない工夫をしています。
ミーティングルームは、窓のある空間。中央に大きなミーティングテーブルが置かれています。社員が集まってのミーティングはもちろん、カフェの大テーブルのようにそれぞれが別の作業に打ち込むことも。大きなテーブルは、資料を思い切り広げることもできるので、様々な作業に使い勝手がよいものです。壁面側にはカウンターコーナーもあり、多様な使い方ができるスペースとなっています。
メインのオフィススペースの脇には、書斎のようなワークスペースが。自席からちょっと離れて落ち着いて仕事をする場として設けられています。小さな窓からの光にインスピレーションを得たり、場所を変えることでアイデアが沸いたりすることもあります。背面は建築関連の書籍を揃え、社員向けの図書コーナーになっています。
お客様との打ち合わせスペースは、住宅のようなスケール感でつくり込みました。アールのついた天井に作り付けのソファを合わせて、リビングを思わせる空間となっています。窓はアイランドプロファイルの木製建具に障子を入れ、住宅で実際に使用しているものを見ていただけるモデルルームでもあります。ソファ脇にはデスクコーナーもあり、打ち合せ以外にも有効に使える場となっています。
「オフィスの給湯室」という概念を壊した、住宅のダイニングキッチンのような休憩スペース。ヒノキの羽目板の天井と腰高の窓の落ち着いた空間です。お客様との打ち合わせにも利用し、実際のキッチンの高さや大きさ、空間のスケールを確かめていただくこともあります。社員がお茶を入れながら打ち合わせをするなど、仕事の中にありながらほっとする時間を提供してくれる場所となっています。