美しい収まりには理由がある。造作家具と「収納サイズ」の心地よい関係

2026.10.05

皆さま、こんにちは。設計部の中島です。

いつもブログをご覧いただきありがとうございます。

住まいの打合せを進める中で、お施主様からよくいただくご質問のひとつに「造作の収納棚って実際使いやすいですか?」というものがあります。

自然素材でつくる木の家だからこそ、手作りの造作家具はお部屋にすっとなじみます。お好みのサイズで作れるため、無駄な余白をつくらず、すっきりと美しく使いやすい空間で、毎日を気持ちよく過ごしていただけます。

ですが、世界にひとつだけのオーダーメイド造作家具は理想的である一方、既製品に比べてどうしてもコストが上がってしまうのが悩みどころです。

そこで私たちが大切にしているのが、「既製収納用品のサイズから逆算して、造作棚を設計する」というアプローチです。

コストを賢く抑えつつ、オーダーメイドならではの美しい納まりを実現する——。今回は、デザイン性とコストパフォーマンスを両立させる「設計の工夫」について詳しくお話しします。

なぜ「ピッタリサイズ」にこだわるのか?

新築に合わせて無印良品やKEYUKA、インテリアショップなどで統一感のあるファイルボックスやラタンバスケットを揃えられるお施主様はとても多くいらっしゃいます。

しかし、一般的な規格サイズの棚だと「上に少しだけ微妙な隙間が余ってしまった」「横にボックスが2個並びきらず、数センチのデッドスペースができた」ということが起こりがちです。

ほんの数センチのことですが、この「余白のノイズ」が目に入ると、せっかくの美しいリビングやパントリーの空間に少しだけ雑多な印象が残ってしまうのです。

私たちが設計図面を描くときは、お施主様が「どこに何を仕舞いたいか」「どんな収納ボックスを使う予定か」を前もってしっかりヒアリングさせていただきます。

定番の収納ボックス(例えば無印良品のファイルボックスやポリプロピレンケースなど)の寸法を頭に入れ、そこから逆算して棚板の奥行きやピッチ(高さ)、可動棚の長さを調整していきます。

設計部が特に意識している「3つの場所」
1. キッチンのバックカウンターとゴミ箱スペース

キッチン周りで最も生活感が出やすいのが「ゴミ箱」です。 「蓋を上に開けたときに、上の棚板に当たらない高さ」「使いたいダストボックスがちょうど3つ横並びで納まる幅」を計算してカウンターを設計します。ゴミ箱がすっぽり納まるだけで、キッチン全体の整然とした美しさが引き立ちます。

2. パントリーの壁面造作棚

日常の買い置きのストック類が集まる場所。ここでは、定番のケースが「何個ピッタリ入るか」を基準に棚の分割を行います。ピッタリ収まった収納は見た目が気持ち良いだけでなく、ケースの出し入れもしやすく、家族みんなが「元の場所に戻しやすい」というメリットがあります。

3. 洗面室・ランドリー

洗面室やランドリールームでは、たたんだタオルや備品を収めるバスケットの高さに合わせて棚を計画します。湿気がこもりやすい場所だからこそ、無垢材の棚板と通気性の良い自然素材のバスケットを組み合わせ、使い勝手と清潔感を両立させています。

手作りの造作家具や木の棚は、家具屋さんで後から買う置き家具と違って「空間の一部」として建築にしっくりと馴染みます。

「いま使っているお気に入りの収納カゴをそのまま使いたい」 「新居ではこの収納ケースで揃えてみたい」

そんなご要望がありましたら、ぜひお打合せの際に設計スタッフへお気軽にお聞かせくださいね。お施主様の暮らしに寄り添った、収納プランをご提案いたします。

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