「建物の高さのスタートライン」
2024.03

設計部の相澤です。
設計部にて、建築に関わる積算を担当しています。皆さんは土地選びの際に、敷地の高低差についてどのように考えられるでしょうか?

住まいを建築する際に、地盤高をどの程度に設定するかは住環境だけでなく、費用面にも大きく影響します。敷地の高低差が大きい場合、土盛りや土留めなどの対策が必要となり、それに伴う費用も増大します。そのため、環境整備にかかる工事を最小限に抑えつつ、快適な住環境にするための地盤高を提案しています。

写真の住まいは、ほぼ平坦な敷地に建築していますが、道路面よりも建物が低くなってしまうと雨水が敷地に溜まってしまったり、建物の排水が流れにくくなるため、建物に近づくほど、地盤高を高く設定している様子がわかると思います。本来平坦な敷地でも、緩やかな高低差をつけることが必要となります。

基準となる地盤高は、周囲からの視線、住まいからの眺望、隣地との高低差といった周辺環境と、敷地の勾配または設備排水の水勾配など、敷地内の環境を総合的に考えて計画をしています。

計画した地盤高にするためには、必要に応じて土留めや擁壁などを建築する費用のほかに、残土処分や盛土をするための土を動かす費用も掛かります。限られた予算の中から必要最低限の工事とすることで、少しでも費用を抑え、お施主が求める理想の建物に近づけられるような提案を日々心掛けています。

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